大田区そぞろ歩き
神社で現代アートを鑑賞する
2016年7月20日 水曜日
歴史と由緒ある新田神社
本殿と樹齢700年の古木(右端)
本殿と樹齢700年の古木(右端)
東急多摩川線の武蔵新田駅からさほど遠くない住宅街のなかに新田神社はあります。新田神社は南北朝時代の武将として有名な新田義貞の次男新田義興を祭神とする神社で、武蔵新田の駅名はこの神社に由来しています。新田神社には樹齢700年といわれる有名なケヤキの古木があります。江戸時代に落雷を受け、さらに太平洋戦争でも戦火による被害を受けましたが、奇跡的に枯れることなく、現在でも新緑の頃になると青々とした若葉をつけています。この神木に触れると健康長寿、病気平癒、若返りの霊験があると伝えられているのはこのためです。新田神社は地域の守り神として、古くから親しまれてきた神社なのです。
モダンな破魔矢のモニュメント
破魔矢のモニュメント
破魔矢のモニュメント
その神木の近くに、ひと際目につく破魔矢のモニュメントがあります。新田神社は現代アートによる街づくりの活動「多摩川アートラインプロジェクト」に参加しており、境内には日本を代表するグラフィックデザイナー浅葉克己氏によるモニュメントが展示されています。破魔矢のモニュメントはその一つですが、新田神社が破魔矢の発祥の地として有名なことから製作されました。破魔矢の誕生には、エレキテルの発明で有名な蘭学者平賀源内が深くかかわっています。新田神社の門前ではその昔から、水破と兵破という新田家伝来のニ筋の矢を売っていましたが、これに目をつけた源内は、五色の和紙と竹で矢を作り、新田家旗印の黒一文字の短冊を付けて矢守(魔除けのお守り)として売り出すよう神社にすすめました。それだけでなく、歌舞伎作者であった源内は、水破・兵破が登場する歌舞伎「神霊矢口渡」を上演し大ヒットさせたのです。これにより新田神社への参拝者は増え、新田家の旗印を付けた矢守は正月の名物になりました。江戸時代後期になると多くの神社でも魔除けの矢守を売り出すようになり、後にこれが破魔矢と呼ばれるようになって、現代に伝わっているのです。破魔矢は正月だけのものですが、新田神社を訪ねれば一年中大きな破魔矢を見ることができます。
卓球台と「LOVE神社」も人気です。
卓球台のモニュメントと「LOVE神社」
卓球台のモニュメントと「LOVE神社」
社殿の横には大きな石のモニュメントが置かれています。よく見ると卓球台のかたちをしています。このモニュメントには、緑あふれる鎮守の森をかつてのように多くの若者の集う場所したいという思いがこめられています。ですからモニュメントとして展示しているだけでなく、神社が用意したラケットを借りて卓球をすることもできるそうです。
そして極めつけは「LOVE神社」です。これは、破魔矢と卓球台のモニュメントを製作した浅葉克己氏によって奉納された石の彫刻で、縁結びや恋愛成就のパワースポットとして人気を集めています。さらに、「LOVE神社」が新田神社に建立されたのを記念して、浅葉克己氏デザインの「新田大明神LOVE守」を奉製しました。このお守りは、運がますます開け、素敵な人と素晴らしい恋愛ができるようにと祈願されているありがたいお守りです。
地域の守り神として親しまれてきた新田神社の、新しい歩き方をご紹介しました。
新田神社
東京都大田区矢口1-21-23
東急多摩川線の武蔵新田から徒歩5分
03-3758-1397
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