大田区★おひとりさま
サード・サタデー・ナイト・フィーバー!(ライブハウス・イーグル)
2011年2月28日 月曜日
町工場の社屋がライブハウスに!(中央=金森茂さん)
町工場の社屋がライブハウスに!(中央=金森茂さん)
 企業の新商品開発に欠かせない、精密板金加工による試作開発を得意とし、大田区「優工場」として表彰されたこともある株式会社金森製作所
 同社を語る上で欠くことのできない、第3土曜日の夜限定の「夜の顔」がある。社屋3階の「ライブハウス・イーグル」だ。ここでは8・12月を除く毎月第3土曜日の夜に「KM・Live」が行われている。
 一般の市民バンド、ストリートミュージシャンからプロまで、毎回3組前後のバンドがオールディーズやハードロック、ジャズにクラシックまで多岐にわたるジャンルの音楽を披露。このライブイベントは1999年4月から定期的に開催されるようになり、以来11年、2011年3月で実に114回を迎える。なにせ工場、100名あまりを収容できる広さとはいえ、回を追うごとに口コミで来場者は増え続け、コンスタントに70余名が集うというから驚きだ。2009年10月の100回記念ライブにはとうとう来場者は100名を超えた。
場内一体になって大盛り上がり
場内一体になって大盛り上がり
 3階の扉を開けると、回るミラーボールと、ビロードのソファー、あふれる熱気。工場とはとても思えない。お酒をくみかわしながら、会話を楽しみ、バンドの演奏に酔いしれ、曲に合わせて手拍子したり、踊ったりと、最後は会場が一体となって盛り上がる。その出演者と来場者との一体感は、「エレキの神様」と慕われる寺内タケシさんからもお墨付き。「お忍び」で来場してすっかり気に入り、ゲストとして出演したこともあるほど。
 会場を埋め尽くす、普段はぱりっとスーツを着込んだ、第一線で活躍する経営者や、まじめな先生、家では「じぃじ」なんて呼ばれているのかもしれない温和そうな「いい年のオトナ」たちも、この日ばかりは目の輝きが変わる。最初は会場の熱気に圧倒されながら、隅でお酒を飲んでいた人も、いつの間にか顔なじみになり、「気のおけない仲間たち」との再会が待ち遠しくなる。わずか3,000円の入場料で楽しめる異日常空間なのだ。
常連「ザ・胡麻家バンド」(右から2番目=東海林常法さん)
常連「ザ・胡麻家バンド」(右から2番目=東海林常法さん)
 当初は社員同士で気兼ねなく飲食できる、福利厚生のための「社員クラブ」を作るつもりだったと、社長の金森茂さん。「青春時代の音楽」はベンチャーズ、50歳でエレキギターを始めた音楽好きで、会場には自慢のビンテージギターがずらり。プロはだしの音響機材や厨房設備を備え、ステージは自ら溶接した入れ込みよう。当日の運営も社員有志の「音楽好き」がとりしきる。とても本業の「片手間」とは思えないクオリティ。それでいて「KM・Live」にどこかアットホームな雰囲気が漂うのは、「みんなで一緒に楽しみたかった」金森さんの人柄のなせる技なのだろう。
 主催者も本気なら、出演者も本気だ。数々の「専属バンド」を育てあげた「KM・Live」のなかでも、東蒲田の老舗ゴマ加工会社・ゴマヤの東海林常法さんがリードギターを務める「ザ・胡麻家バンド」は「KM・Live」開始当初からの常連。指を怪我した際も、筋肉を切断しないよう医者に懇願したという。これからも変わらず大好きなギターを演奏するために。懸命のリハビリで復活したギターソロには、場内から惜しみない拍手が送られた。
 オトナが本気になって遊ぶってこういうこと!絶えることのない「ライブハウス・イーグル」の熱気が教えてくれる。

[参考文献]
関晴夫『大森蒲田の元気工場』かんき出版、2002 *金森さんや金森製作所を描いたドキュメンタリー



ライブハウス・イーグル
東京都大田区大森南2-8-16株式会社金森製作所内
03-3741-3340(NPO法人スゥイングライブ)
8・12月を除く毎月第3土曜日 17時開場
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